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【2026年10月改定】永住許可の新ガイドライン|何が変わる?適用時期と主な変更点を行政書士が解説

最終更新日:2026年10月1日

2026年10月1日、出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」が改定されました。

今回の改定では、永住許可の審査における収入、年金、公租公課、日本語能力、日本の制度・ルール等への理解、学齢期の子どもの就学、在留期間、長期出国、法に規定する義務の遵守などについて、より具体的な考え方が示されています。

ただし、ここで注意したいのが、ガイドラインの「改定日」と「改定内容の原則的な適用日」は同じではないということです。

今回改定された内容は、原則として2027年4月1日以降の申請から適用されます。一方で、一部の項目については、2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日時点で申請中の案件に対する遡及的な取扱いも定められています。

この記事では、愛知県西三河地域(岡崎市、豊田市、安城市、刈谷市など)で永住申請をご検討中の方に向けて、2026年10月1日に改定された永住許可ガイドラインについて、「何が変わったのか」「いつから適用されるのか」「自分に関係するのはどの部分なのか」を確認できるよう、主な変更点を整理します。

なお、今回の改定で示された事項のすべてが、これまで全く考慮されていなかったものというわけではありません。従来から審査で考慮されていた事項について、法律やガイドライン上でより明確にされたものもあります。

そのため、この記事では「新しく追加されたもの」と「これまで考慮されていた事項をより具体的に示したもの」をできるだけ分けて説明します。

2026年10月改定の永住許可ガイドラインの主な変更点を整理したイメージ

この記事でわかること

  • 2026年10月に改定された永住許可ガイドラインの主な変更点
  • 新しいガイドラインがいつから適用されるのか、現在申請中の場合の扱い
  • 収入・年金・健康保険・税金など、生活・経済面で確認されるポイント
  • 日本語能力、日本の制度・ルール、子どもの就学など、生活面で考慮されるポイント
  • 在留期間、長期出国、法律上の義務、原則10年在留の特例などの変更点
  • 「我が国への貢献」に関する旧ガイドラインの廃止と、これからの永住申請で確認したいこと

永住申請中・申請を検討している方が確認できる3つのポイント

  • 申請中の方:
    今回の改定で遡及適用される項目(収入・公共の負担とならないこと)を確認できます。
  • これから1〜2年以内に申請したい方:
    世帯年収・年金・日本語能力・制度理解の4点を事前に整理する重要性がわかります。
  • 配偶者ビザから永住を考えている方:
    在留期間の特例の変更点を踏まえ、申請タイミングの検討ポイントを確認できます。

2026年10月1日、永住許可のガイドラインが改定されました

出入国在留管理庁は、2026年10月1日付で「永住許可に関するガイドライン」を改定しました。

永住許可は、現在の在留資格から「永住者」へ変更するための手続です。今回のガイドラインでは、永住許可の審査において考慮される事項について、これまでより具体的な考え方が示されています。

特に、収入や公租公課の支払いだけでなく、日本語能力、日本の制度・ルール等への理解、学齢期の子どもの就学、長期出国、法に規定する義務の遵守などについても、ガイドライン上で明確に整理されています。

今回の改定で重要なのは「改定日」と「適用日」が違うこと

2026年10月1日は、永住許可ガイドラインが改定された日です。

一方、改定された内容が原則として適用されるのは、2027年4月1日以降の申請です。

そのため、2026年10月1日から、すべての永住申請に新しいガイドラインが適用されるわけではありません。

日付 意味
2026年4月1日 一部の経過的な取扱いの対象となる申請の起算日
2026年10月1日 永住許可ガイドラインの改定日
2027年4月1日 原則として新しいガイドラインが適用される日

一部の申請には例外的な取扱いがあります

今回のガイドラインでは、原則的な適用時期とは別に、一定の申請について、改定内容の一部をさかのぼって適用する取扱いが定められています。

対象となるのは、次の2つです。

① 「収入」
ガイドライン第2の4(2)

② 「公共の負担とならないこと」
ガイドライン第2の5(7)

これらについては、2026年4月1日以降に申請し、かつ2026年10月1日時点で申請中である案件にも、今回改定されたガイドラインの内容が適用されます。

ただし、今回の改定内容すべてが、2026年4月1日以降の申請中案件に適用されるわけではありません。

「年金」「日本語能力」「日本の制度・ルール等への理解」などについても、同じように扱われると考えず、それぞれの適用時期を確認する必要があります。

ポイント
今回の改定では、2026年10月1日にガイドラインが改定されたことと、2027年4月1日以降の申請から原則として新しい内容が適用されることを分けて考える必要があります。

今回の永住許可ガイドライン改定で何が変わる?

今回の改定では、永住許可の審査で考慮される事項について、さまざまな点が具体的に示されています。

主なポイントをまとめると、次のとおりです。

項目 今回のポイント
収入 原則として同一生計世帯単位で審査し、世帯人数に応じた年収水準を考慮
年金 加入状況や将来の年金受給見込額などを考慮
公租公課 税金、公的医療保険、公的年金などの支払いを考慮
法律上の義務 各種届出、在留カード、資格外活動などに関する義務を考慮
長期出国 一回の出国で半年以上、または通算2年6月以上の不在について明記
日本語能力 B1相当レベル以上の日本語能力を考慮要素として明記
日本の制度・ルール等への理解 「生活・就労ガイドブック」等を中心に理解の程度を考慮
学齢期の子どもの就学 小学校または中学校への通学を考慮
在留期間 現在の在留資格について最長の在留期間をもって在留しているかを考慮
原則10年在留の特例 配偶者、定住者、高度人材などの特例を整理
「我が国への貢献」 従来の「我が国への貢献」に関するガイドラインを廃止
その他の国益要件 永住が日本国の利益に合するかを判断する際の事情を考慮

今回「初めて」審査されるようになった事項ばかりではありません

ここで、今回のガイドライン改定について注意しておきたいことがあります。

今回のガイドラインに新しく記載された事項のすべてが、2026年10月から初めて審査されるようになったという意味ではありません。

たとえば、出入国在留管理庁は、入管法に追加された「この法律に規定する義務の遵守、公租公課の支払等」という文言について、従来のガイドラインにも記載されており、2027年4月1日の改正法施行以前の審査においても考慮されていたものを、法律上の要件として明確化したものと説明しています。

そのため、今回の記事では、

  • 今回の改定で新たに具体化された事項
  • これまでも考慮されていた事項を、法律やガイドライン上でより明確にしたもの

をできるだけ区別しながら説明していきます。

① 年収・収入の考え方が明確化されました

今回のガイドラインでは、永住許可の「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」という要件について、収入をどのように考えるのかが、これまでより具体的に示されています。

特に重要なのが、永住申請をする本人の年収だけを見るのではなく、原則として同一生計世帯単位で考えるという点です。

世帯単位で考える

新しいガイドラインでは、独立生計要件について、原則として同一生計世帯単位で審査するとしています。

ここでいう世帯とは、住居と家計を共にしている人の集まりをいいます。

そのため、永住申請者本人の収入だけではなく、同一生計世帯を構成する人の収入も含めて、世帯としての収入が考慮されます。

たとえば、夫婦で生活している場合、申請者本人だけの年収ではなく、同一生計である配偶者の収入も含めて世帯年収を考えることになります。

世帯人数に応じた年収水準が考慮されます

ガイドラインでは、原則として、申請時点において、申請者の属する世帯の年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかを考慮するとしています。

ここで大切なのは、ガイドラインが単純に「永住申請には年収○万円が必要」と固定額を示しているわけではないことです。

世帯人数によって考慮される年収水準も変わるため、本人の年収だけを見て永住申請ができるかどうかを判断することはできません。

「年収○万円あれば永住できる」という単純な基準ではありません。
世帯人数や同一生計の状況などを含めて、世帯としての収入を確認することが大切です。

申請者本人だけの年収を見るわけではありません

同一生計世帯を構成する人の収入についても、世帯年収として考慮されます。

一方で、同一生計世帯を構成していても、成人している者など、父母の扶養から外れている者については、その者の収入を単純に父母の世帯年収へ加算するわけではありません。

このように、単に「同じ住所に住んでいる人の収入を全部足す」という考え方ではなく、誰と生計を共にしているのかを確認する必要があります。

扶養家族がいる場合はどう考える?

今回のガイドラインでは、申請者が扶養する親族について、外国に住んでいる親族も含めて、世帯人数に加算するとしています。

そのため、たとえば日本で夫婦と子どもが生活しているケースだけでなく、海外に住む親族を継続的に扶養しているケースでも、世帯人数について確認が必要になります。

また、世帯人数が5人以上の場合には、世帯人数に応じた年収水準に生活費等の増加額分を加算して、その水準に達しているかを考慮するとされています。

扶養家族がいる場合の収入については、家族構成や扶養の実態によって確認するポイントが変わります。

詳しくは、当事務所の以下の記事でも解説しています。

家族の「資格外活動収入」には注意が必要です

同一生計世帯を構成する人が、たとえば「家族滞在」の在留資格で日本に在留している場合、その人が資格外活動許可を受けて得ている収入については、世帯年収に合算する対象とはならないとされています。

「家族として一緒に暮らしているから、家族の収入はすべて世帯年収に入る」と考えるのではなく、その収入を得ている人の在留資格や就労の状況も確認する必要があります。

今回のガイドラインでは、永住申請における「収入」について、単純に申請者本人の年収を見るのではなく、世帯・世帯人数・扶養状況などを含めて考える仕組みがより具体的に示されています。

② 年金・公租公課の支払いが明確に位置付けられました

今回のガイドラインでは、永住許可の判断において、年金や税金、公的医療保険などの公的な負担を適切に履行しているかについて、より具体的な考え方が示されています。

ここは、永住申請を考えている方にとって特に確認しておきたい部分です。

ただし、年金と税金・健康保険などは、ガイドライン上の位置付けが少し異なります。分けて確認していきましょう。

年金について

今回のガイドラインでは、独立した生計を営むための資産又は技能について判断する際の考慮要素として、年金が明記されています。

年金については、単純に「現在、年金を払っているか」だけを確認するという考え方ではありません。

ガイドラインでは、申請者の年齢、これまでの就労状況、年金の加入期間、年金加入期間における平均収入、将来受け取ることが見込まれる年金額などを考慮するとしています。

また、将来受け取る年金だけでは生活を維持することが難しいと見込まれる場合には、それを補うことができる資産等があるかについても考慮されます。

そのため、たとえば現在の収入が十分にある方と、将来の年金受給を中心に生活することになる方では、確認するポイントが異なります。

年金については「未納があるかどうか」だけで考えないことが大切です。
これまでの加入状況や就労歴、将来の年金受給見込額などを含めて、将来にわたって安定した生活を維持できるかという観点から確認されます。

健康保険について

健康保険については、国民健康保険、健康保険など、加入している公的医療保険の保険料について、適切に支払っているかを確認することが重要です。

永住申請では、現在の加入状況だけではなく、これまでの加入・支払いの経過を確認する必要があります。

たとえば、会社を退職した後に健康保険の切り替えが行われていなかった期間や、国民健康保険料の支払いに遅れがあった期間などがある場合には、その経緯を整理しておくことが大切です。

「現在はきちんと支払っているから問題ない」とは限らないため、永住申請を考えている場合は、過去の支払い状況まで確認しておくと安心です。

健康保険や年金の加入・支払いについては、以下の記事でも詳しく説明しています。

住民税などの公租公課について

税金についても、永住許可の審査では重要な確認事項です。

住民税、所得税などの公的な負担について、適切に納付しているかを確認します。

特に注意したいのは、申請時点で未納がないことだけを確認すればよいわけではないということです。

納付期限に遅れて支払った場合や、納付方法を変更した場合、過去に滞納があり後から支払った場合などは、その経緯を含めて確認しておく必要があります。

永住申請を準備するときには、税金・健康保険・年金をそれぞれ別々に考えるのではなく、これまで公的な義務をどのように履行してきたかを一つの流れとして確認することが大切です。

過去の支払い状況も確認が必要です

永住申請では、「今はきちんと払っている」というだけではなく、過去の支払い状況についても確認する必要があります。

そのため、申請を考え始めた段階で、

  • 住民税などの税金
  • 健康保険料
  • 年金保険料
  • 加入・脱退の時期
  • 転職・退職などに伴う保険の切り替え

などを時系列で整理しておくと、資料を集める際にも確認しやすくなります。

永住申請では、単に「未納がないか」を確認するだけではなく、いつ加入し、いつ支払い、途中にどのような変化があったのかまで整理することが大切です。

③ 日本語能力が考慮要素として明記されました

今回のガイドラインでは、永住許可の審査において、一定水準の日本語能力を有しているかを考慮することが明記されました。

具体的には、「日本語教育の参照枠」におけるB1相当レベル以上の日本語能力を有しているかを考慮するとされています。

このため、今回の改定を見て「これから永住申請をする人は、全員B1の日本語能力が必須になった」と受け取る方もいるかもしれません。

しかし、ガイドラインはそこまで一律の要件として定めているわけではありません。

B1相当レベルとは?

「B1」は、「日本語教育の参照枠」における日本語能力の段階の一つです。

大まかにいえば、日常生活の中で、ある程度まとまりのある内容を理解したり、自分の経験や考えを伝えたりすることができる程度の日本語能力を指します。

ただし、永住許可のガイドラインで示されているのは、「B1相当レベル以上の日本語能力を有しているかを考慮要素とする」という考え方です。

そのため、単純に一つの試験の合格・不合格だけで永住許可の可否が決まるというものではありません。

すべての申請者にB1が必須という意味ではありません

ここは今回の改定で特に誤解しやすいところです。

ガイドラインでは、一定の場合には、申請者本人についてB1相当レベル以上の日本語能力を求める必要性・相当性がないとして、日本語能力を考慮要素としない場合が示されています。

たとえば、

  • 高度人材外国人に該当する場合
  • その高度人材外国人の家族である場合
  • 学校教育法に規定する初等教育または中等教育を累計6年以上受けている場合
  • 日本で出生した一定の要件を満たす永住者の子である場合

などが挙げられています。

したがって、永住申請を考えている方は、単に「B1の証明書が必要」と考えるのではなく、自分が日本語能力の考慮対象となるのか、対象となる場合にはどのように日本語能力を確認できるのかを整理することが大切です。

「永住申請にはB1が必須」という理解は正確ではありません。
B1相当レベル以上の日本語能力は考慮要素ですが、ガイドラインには一定の例外も定められています。

④ 日本の制度・ルール等への理解が考慮されます

今回のガイドラインでは、日本語能力とは別に、「我が国の制度・ルール等への理解」も考慮要素として明記されました。

これは、日本語を話せるかどうかだけを見るものではありません。

永住許可を受けた後も日本を生活の本拠として暮らしていくことを考え、日本の社会生活に必要な制度やルールについて理解しているか、その理解が一定の水準に達しているかを考慮するものです。

何を確認するのか

ガイドラインでは、出入国在留管理庁長官が指定する方法により、「生活・就労ガイドブック」に記載されている事項を中心に、日本の制度・ルール等を理解しているかを確認するとしています。

そのうえで、その理解が一定水準以上に達しているかを考慮します。

「日本に長く住んでいるから、当然に理解しているはず」と考えるのではなく、永住申請をするのであれば、改めて日本の生活に関する基本的な制度やルールを確認しておくことが大切です。

「生活・就労ガイドブック」等が示されています

ガイドラインでは、確認する内容の中心として、出入国在留管理庁が作成している「生活・就労ガイドブック」が示されています。

日本で生活するうえで必要となる、行政手続、社会保障、生活上のルール、仕事などに関する基本的な情報を確認しておくことが、これまで以上に重要になってきます。

特に、日本での生活が長くなっている方でも、転職や結婚、子どもの出生、引っ越しなどによって必要となる手続は変わります。

永住申請をきっかけに、自分や家族に関係する制度を一度整理しておくとよいでしょう。

日本語能力とは別の考慮要素です

「日本語能力」と「日本の制度・ルール等への理解」は、似ているようで別の項目です。

たとえば、日本語をある程度話すことができても、住居地の届出や社会保険、税金など、日本で生活するために必要な制度を十分に理解しているとは限りません。

反対に、制度について理解していても、日本語での会話や読み書きが十分でない場合もあります。

そのため、今回のガイドラインでは、日本語能力と日本の制度・ルール等への理解を分けて考えていることを押さえておきましょう。

⑤ 学齢期の子どもの就学が考慮されます

今回のガイドラインでは、学齢期の子どもの就学についても、永住許可の判断における考慮要素として明記されています。

これは、申請者本人が学齢期にある場合だけでなく、申請者が学齢期の子どもを養育する親である場合も対象となります。

対象となる「学齢期」とは

ガイドラインでは、ここでいう「学齢期」を義務教育の期間としています。

申請者が学齢期にある場合には、申請者本人が小学校または中学校に通学していることが考慮されます。

また、申請者が学齢期の子どもを養育する親である場合には、その子どもが小学校または中学校に通学していることが考慮されます。

親が永住申請する場合

たとえば、外国人夫婦が日本で生活しており、小学生や中学生の子どもを養育している場合には、永住申請者本人だけでなく、子どもの就学状況も確認しておく必要があります。

子どもが日本の学校に通っている場合は、その状況を確認できる資料を準備することになります。

一方、子どもが学校に通っていない事情がある場合には、その事情を含めて確認することが必要です。

たとえば、海外との行き来がある家庭や、転校・編入の途中にあるケースなど、家庭によって事情は異なります。

申請者本人が学齢期の場合

申請者本人が学齢期にある場合には、申請者自身が小学校または中学校に通学していることが考慮されます。

このように、今回のガイドラインでは、永住申請者本人だけでなく、その人が養育している子どもの生活状況も含めて、日本で安定して生活しているかを確認するという考え方がより具体的に示されています。

今回の改定では、「永住申請者本人の条件」だけを確認すればよいわけではありません。
世帯の収入、年金や公的負担の状況、日本語や制度への理解、子どもの就学状況など、家族を含めた生活全体を整理することが重要になっています。

⑥ 在留期間「3年」の扱いが変わる

永住許可のガイドラインでは、原則として、現在の在留資格について最長の在留期間をもって在留していることが求められます。

これまでは、在留期間が「3年」の場合でも、一定の経過措置によって、最長の在留期間をもって在留しているものとして扱われてきました。

2027年4月以降は、これまで「3年」の在留期間を最長の在留期間と同等に扱っていた経過的な取扱いが、原則として終了します。

そのため、2027年4月以降に永住許可を申請する場合は、原則として、現在の在留資格における最長の在留期間を取得しているかどうかが、これまでより明確に確認されることになります。

そのため、現在「3年」の在留期間をお持ちの方は、申請時期との関係も含めて、自分の在留資格と在留期間を確認しておくことが大切です。

⑦ 長期出国についての考え方も明記されています

海外出張や海外赴任、家族の事情などによって、日本を長期間離れることがある方もいると思います。

今回のガイドラインでは、こうした日本からの長期出国についても、永住許可の判断における考慮事項が具体的に示されました。

ポイントとなるのは、「一回の出国期間」と「過去10年間の通算の出国期間」です。

一回の出国で半年以上

ガイドラインでは、合理的な理由がないにもかかわらず、1回の出国期間が6か月以上となる場合について、永住許可の判断において消極的な要素として考慮するとしています。

たとえば、海外での長期滞在があった場合には、その期間だけでなく、なぜ長期間日本を離れていたのかという理由も重要になります。

仕事上の必要性、家族の事情など、本人にとって合理的な理由がある場合には、その事情を整理しておくことが大切です。

通算2年6月以上

また、過去10年間における出国期間について、合理的な理由がないにもかかわらず、通算して2年6月以上となる場合も、永住許可の判断において消極的な要素として考慮するとされています。

つまり、1回の出国だけが問題になるわけではありません。

短期間の海外渡航を何度も繰り返している場合には、過去10年間の出国期間を合計して確認する必要があります。

合理的な理由がある場合

ここで重要なのは、ガイドラインが「半年以上海外にいたら必ず不許可」「通算2年6月以上なら必ず不許可」と定めているわけではないことです。

ガイドラインでは、「合理的な理由がなく」長期間出国している場合について、消極的な要素として考慮するとしています。

そのため、海外出張や海外赴任、家族の事情など、長期出国に合理的な理由がある場合には、その理由や期間、仕事との関係などを整理して説明できるようにしておくことが大切です。

特に、愛知県西三河地域の製造業などで海外出張が多い方や、海外拠点との仕事に関わっている方は、出国日・帰国日だけでなく、出国理由も含めて過去の渡航歴を確認しておくとよいでしょう。

長期出国については、以下の記事でも詳しく説明しています。

長期出国は「期間」だけで判断するのではなく、「なぜその期間、日本を離れていたのか」も含めて整理することが大切です。

⑧ 法律上の義務についても明記されました

今回のガイドラインでは、永住許可の要件として、入管法その他の法律に定められた義務を適切に履行していることについても、より具体的に整理されています。

日本で生活している外国人には、在留資格に関する手続だけでなく、住所の届出や在留カードに関する義務など、さまざまな法律上の義務があります。

永住申請では、現在の状況だけでなく、過去の義務の履行状況も含めて確認することが大切です。

届出義務など

外国人が日本で生活する場合、住所の変更などについて、法律に定められた届出が必要となる場合があります。

たとえば、引っ越しをした場合の住居地の届出など、日常生活の中で必要となる手続があります。

こうした届出を適切に行っているかどうかも、永住申請を考える際には確認しておきたいポイントです。

在留カードに関する義務

在留カードについても、携帯や提示、記載事項に関する手続など、法律上の義務があります。

在留カードを適切に管理しているか、必要な届出を行っているかなどについて、過去の状況も含めて確認しておくことが重要です。

資格外活動などの義務

在留資格によっては、許可された活動の範囲や、資格外活動許可に関するルールがあります。

たとえば、就労できる範囲が定められている在留資格で、許可を受けずにその範囲を超える活動をしていた場合などには、その経緯を確認する必要があります。

「現在は正しい在留資格で生活しているから大丈夫」と考えるのではなく、これまでどのような活動をしてきたのかを振り返っておくことが大切です。

過去の義務違反も考慮されます

今回のガイドラインでは、入管法その他の法律に規定する義務の遵守について、過去の状況も含めて考慮することが明記されています。

そのため、永住申請を準備するときには、現在の在留状況だけではなく、過去の住所変更、在留カードに関する手続、在留資格で認められている活動の範囲などについても、一度確認しておくとよいでしょう。

なお、交通違反などについては、ここでいう法律上の義務とは別に、永住許可の「素行が善良であること」に関する審査との関係で確認が必要となる場合があります。

交通違反については、以下の記事で詳しく説明しています。

原則10年在留には特例があります

永住許可では、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが求められます。

ただし、一定の在留資格や身分関係、高度人材などに該当する場合には、原則10年より短い期間で永住許可を申請できる特例があります。

今回の改定では、これらの特例のうち、日本人・永住者・特別永住者の配偶者に関する在留期間の要件が変更されています。

これまでの「婚姻3年以上・日本在留1年以上」から、「婚姻5年以上・日本在留3年以上」へ変更されました。

日本人・永住者・特別永住者の配偶者

日本人、永住者または特別永住者の配偶者については、実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上日本に在留していることが要件となります。

つまり、今回の改定によって、配偶者としての永住申請を検討する場合に確認する期間が、これまでより長くなりました。

※この配偶者に関する要件変更(婚姻5年以上・在留3年以上)も、原則として2027年4月1日以降の申請から適用されます。2027年3月末までに申請を予定されている方は、ご自身の申請予定時期とあわせて確認することが大切です。

その実子等

日本人、永住者または特別永住者の実子等については、3年以上日本に継続して在留していることが要件です。

定住者

「定住者」の在留資格をもっている方については、5年以上継続して日本に在留していることが要件です。

難民・補完的保護対象者

難民の認定または補完的保護対象者の認定を受けた方については、認定後5年以上継続して日本に在留していることが要件です。

高度人材外国人(70点・80点)

高度人材については、ポイントに応じて必要な在留期間が異なります。

  • 70点以上:3年以上
  • 80点以上:1年以上

なお、申請時点のポイントだけでなく、申請から3年前または1年前の時点で基準を満たしていたかが問題となる場合もあります。

特別高度人材

特別高度人材に該当する方は、1年以上継続して日本に在留していることが要件です。

我が国への貢献が認められる方

外交、社会、経済、文化などの分野において我が国への貢献があると認められる方についても、5年以上日本に在留していることを要件とする特例があります。

また、一定の特区や地域再生計画に関係する活動によって我が国への貢献が認められる方についても特例があります。

このように、永住許可の在留期間は「10年」が一律の基準というわけではありません。

自分の在留資格や家族関係、高度人材としてのポイントなどを確認し、どの特例に該当するのかを整理することが大切です。

原則10年というのは、永住許可の基本的なルールです。
ただし、日本人・永住者等の配偶者、定住者、高度人材などには、それぞれ異なる特例があります。自分がどのルートに該当するのかを確認することが、永住申請の準備の第一歩になります。

「我が国への貢献」に関する旧ガイドラインは廃止されました

今回の改定では、これまで永住許可のガイドラインに設けられていた「我が国への貢献」に関する項目が廃止されました。

そのため、「日本に貢献していることを積極的にアピールしなければ永住許可が認められない」という考え方をする必要はありません。

ただし、これは「我が国への貢献」という考え方が、永住許可の判断から完全になくなったという意味ではありません。

新しいガイドラインでも、一定の「我が国への貢献」があると認められる方については、原則10年の在留歴に関する特例の対象となる場合があります。

したがって、今回の改定については、「貢献がなくてもよくなった」という単純な変更ではなく、これまで独立した項目として示されていた「我が国への貢献」の取扱いが整理されたと考えると分かりやすいでしょう。

すでに永住申請をしている人はどうなる?

今回の永住許可ガイドラインの改定は、原則として2027年4月1日以降に申請された永住許可申請から適用されます。

ただし、今回の改定では、「収入」と「公共の負担となっていないこと」については、例外的な取扱いがあります。

この2つの項目については、2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日時点で審査中の申請についても、新しいガイドラインの内容が適用されます。

つまり、すでに申請している方についても、すべてが従来のガイドラインのまま審査されるわけではありません。

一方で、今回新たに明記された日本語能力、日本の制度・ルールへの理解、学齢期の子どもの就学などについては、原則として2027年4月1日以降の申請から新しいガイドラインが適用されます。

そのため、すでに永住申請中の方については、「2026年10月1日の改定だから、すべて新しい基準になる」あるいは「申請済みだから、すべて以前の基準のまま」と一括りに考えるのではなく、どの項目がいつから適用されるのかを確認することが大切です。

これから永住申請を考えている方へ

2027年4月1日以降に永住許可申請を予定している方は、今回のガイドライン改定を踏まえて、申請前の確認事項をこれまで以上に丁寧に整理しておくことが大切です。

特に確認しておきたいのは、次のような点です。

  • 現在の在留資格と在留期間
  • 世帯全体の収入と家族構成
  • 年金・健康保険・税金などの支払状況
  • これまでの届出や在留上の義務を適切に履行しているか
  • 長期間の海外滞在がないか
  • 日本語能力や日本の制度・ルールについての理解
  • 学齢期の子どもがいる場合の就学状況
  • 自分が原則10年在留のどの特例に該当するのか

永住許可は、単に「何年間日本に住んでいるか」だけで判断されるものではありません。

収入、税金、年金、健康保険、在留状況、家族関係、出国歴など、これまでの生活状況を全体として確認する必要があります。

そのため、申請書類を集め始めてから問題を探すのではなく、申請を考えた段階で、自分のこれまでの状況を一度整理してみることをおすすめします。

しのび行政書士事務所でも、岡崎市・豊田市・安城市・刈谷市などの愛知県西三河地域で永住申請を検討されている方について、現在の在留状況や年金・健康保険・税金などを確認しながら、申請に向けた準備を一緒に整理しています。

まずは「自分の場合、永住申請の準備をどこから始めればよいのか分からない」という段階でもご相談いただけます。

2026年10月改定の永住許可ガイドライン|よくある質問

Q1.新しい永住許可ガイドラインは、2026年10月1日からすぐに適用されますか?

いいえ。原則として、2027年4月1日以降に申請された永住許可申請から適用されます。

ただし、「収入」と「公共の負担となっていないこと」については、2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日時点で審査中の申請についても、新しいガイドラインの内容が適用される取扱いがあります。

Q2.すでに永住申請をしています。新しいガイドラインの対象になりますか?

すべての項目が一律に新しいガイドラインへ切り替わるわけではありません。

申請した時期や審査中かどうかによって適用される取扱いが異なります。特に、「収入」と「公共の負担となっていないこと」については、一定の申請について新しいガイドラインが適用されます。

Q3.永住申請では年収がいくらあれば大丈夫ですか?

新しいガイドラインでは、世帯人数に応じた収入水準を考慮することが明記されていますが、「年収○万円あれば永住許可が認められる」という一律の基準が示されているわけではありません。

本人だけではなく、同一世帯の家族構成や収入などを含めて確認する必要があります。

永住申請の年収・扶養家族について詳しくはこちら

Q4.永住申請では日本語能力B1が必須になったのですか?

いいえ。B1相当の日本語能力は、永住許可の判断において考慮される事項の一つですが、すべての申請者に一律にB1の能力が必須となったわけではありません。

申請者の在留資格やこれまでの就学状況などによって、考慮の仕方が異なる場合があります。

Q5.日本語ができれば、日本の制度やルールについての理解は確認されないのですか?

別の項目として確認されます。

新しいガイドラインでは、日本語能力と日本の制度・ルール等に関する理解がそれぞれ示されています。

そのため、日本語を話せることだけではなく、日本で生活するうえで必要な制度やルールについて理解しているかという点も考慮されます。

Q6.子どもが学校に通っていないと、親の永住申請は不許可になりますか?

学齢期の子どもがいる場合、その子どもが小学校又は中学校に通学しているかどうかは、永住許可の判断において考慮されます。

ただし、就学していないという事情だけで自動的に不許可になるという意味ではありません。

子どもの年齢や在留状況、就学していない理由など、個々の事情を整理しておくことが大切です。

Q7.在留期間が3年だと、2027年4月以降は永住申請できなくなりますか?

これまで、在留期間が「3年」の場合には、最長の在留期間をもって在留しているものとして扱う経過措置が設けられていました。

今回の改定では、この「3年」を最長の在留期間と同等に扱う経過措置が、2027年3月末で原則的に終了します。

そのため、2027年4月以降に永住申請をする方は、原則として、現在の在留資格における最長の在留期間を取得しているかどうかを確認する必要があります。

Q8.海外に長期間滞在していたら、永住申請はできませんか?

長期間海外に滞在していたことだけで、直ちに永住申請ができなくなるわけではありません。

新しいガイドラインでは、合理的な理由がない場合に、1回の出国が6か月以上、または過去10年間の出国期間の合計が2年6か月以上となる場合について、永住許可の判断において消極的に考慮されることが明記されています。

出国の理由や日本での生活状況なども含めて確認する必要があります。

Q9.日本人と結婚して3年、日本に1年住んでいれば永住申請できますか?

2027年4月1日以降に申請する場合は、これまでの「婚姻3年以上・日本在留1年以上」という基準ではなく、新しい基準が適用されます。

日本人、永住者または特別永住者の配偶者については、実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上日本に在留していることが要件となります。

ただし、この新しい基準も原則として2027年4月1日以降の申請から適用されますので、ご自身の申請予定時期も含めて確認することが大切です。

Q10.今回の改定で、永住許可の審査がすべて厳しくなったということですか?

今回の改定では、収入、年金・公租公課、日本語能力、日本の制度やルールへの理解、子どもの就学、長期出国、法律上の義務など、さまざまな確認事項が整理・明記されました。

ただし、すべてが今回新しく審査されるようになったわけではありません。

これまでの永住許可の判断でも確認されていた事項が、今回のガイドラインでより明確に示されたものもあります。

そのため、「何が新しくなったのか」と「これまで確認されていたことが明文化されたもの」を分けて理解することが大切です。

しのび行政書士事務所では、永住申請に関する記事を順次更新しています

今回のガイドライン改定によって、永住許可について確認しておきたいポイントが増えました。

ただ、ガイドラインを読んだだけでは、「自分の場合はどこを確認すればいいのか」が分かりにくいこともあります。

しのび行政書士事務所では、永住申請について、収入、年金、健康保険、税金、在留期間、出国歴など、個別のテーマごとに詳しく解説しています。

永住申請を検討されている方は、今回のまとめ記事とあわせて、必要なテーマの記事もご覧ください。

永住申請について、一度整理してみませんか?

永住申請では、必要書類を集めるだけでなく、これまでの在留状況を整理し、現在の自分が永住許可の要件を満たしているかを確認することが大切です。

年金・健康保険・税金の支払い状況、転職や収入の変化、家族構成、海外への長期出国などは、書類をそろえて初めて「確認が必要な点」が見えてくることも少なくありません。

愛知県西三河地域(岡崎市・豊田市・安城市・刈谷市・西尾市・知立市など)で活動するしのび行政書士事務所では、永住申請のタイミングや必要な準備を一つずつ整理しながら、状況に合わせた申請戦略をご提案しています。

「自分の場合、いつから永住申請できるのか」
「年金や健康保険の状況を確認しておきたい」
「今回のガイドライン改定で影響があるのか知りたい」
といった段階でもお気軽にご相談いただけます。

お忙しい方でも安心の出張対面サポート

・当事務所へのご来所は不要です(ご自宅やお近くのカフェ等へお伺いします)
・岡崎市、豊田市、安城市、みよし市、刈谷市など西三河全域へ出張対応
・土日・夜間も柔軟に対応し、丁寧に状況をお伺いします

永住申請の可否や準備の進め方は、一人ひとり異なります。
まずは現在の状況をお聞かせいただければ、必要な対応や今後の申請戦略について一緒に整理いたします。

※現在、新規ご相談の対応可能時間は、10月残り15時間程度です。
監修者情報

行政書士 渡邊 晴美
(しのび行政書士事務所 代表)

愛知県(三河・豊田・岡崎エリア)で配偶者ビザ申請を専門とし、外国人雇用制度・在留資格手続にも精通する行政書士。
地域を支える製造業や関連企業にお勤めの皆様の国際結婚・配偶者ビザ申請を多数サポート。
トヨタグループ企業の人事部門(海外社員教育)にて、 外国人社員の受入・教育および、日本人社員向けのグローバル教育に携わる。
現場に即した教育設計やコミュニケーション支援に従事。
法律事務所勤務(パラリーガル)を経て現職。
現場のコンプライアンスと論理性を重視した、「不備のない、精度の高い書類作成」に定評がある。

名古屋大学大学院修了。愛知県豊田市拠点。
多忙なメーカー勤務の皆様のスケジュールに合わせ、オンライン相談や出張対応など、利便性の高い実務支援を行っている。

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