永住申請は扶養家族が多いと不利?世帯収入と審査ポイントを行政書士が解説
最終更新日:2026年10月7日
【2026年10月改定】永住許可の新ガイドライン
2026年10月に永住許可のガイドラインが改定されました。主な変更点や適用時期はこちらの記事で解説しています。
永住申請に関する各記事も、ガイドラインに合わせて随時更新していきます。
日本で永住権(永住許可)を目指す際、多くの外国人の方が不安に感じるのが「収入」と「家族の人数」です。
「扶養家族が多いと永住審査に不利になりますか?」
というご相談は非常に多く寄せられます。
結論から言うと、家族が多いこと自体が不許可理由になるわけではありません。
ただし、世帯全体を安定して養える経済基盤があるかは、家族構成や扶養している親族の人数との関係で確認されます。
本記事では、永住審査における扶養人数と年収の考え方、審査で見られるポイント、家族が多い場合の実務上の対策を解説します。
<関連ページ>
永住申請の年収基準全体については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 永住権の年収基準と審査ポイントの総合解説
永住審査では年収や扶養人数だけでなく、年金や健康保険、税金などの公租公課の支払状況も確認されます。
社会保険の納付については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 永住申請で不許可を避けるための社会保険チェックポイント
※本記事は出入国在留管理制度の公開情報および行政書士実務相談事例を基に一般的な傾向を解説したものです。個別事案により判断は異なります。
1. なぜ「扶養人数」が審査に影響するのか
永住許可の要件の一つに
「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」
(いわゆる独立生計要件)があります。
これは、申請時点での収入だけでなく、これまでの在留状況、将来において見込まれる収入、資産や技能などを踏まえ、日本で安定した生活を継続できると見込まれるかを確認するものです。
この独立生計要件は、原則として同一生計世帯単位で審査されます。
- 単身者 → 本人の生活維持能力
- 家族あり → 同一生計世帯全体の生活維持能力
というように、申請者本人だけでなく、同じ家計で生活している家族との関係も含めて考える必要があります。
そのため、扶養している家族が増える場合には、世帯人数との関係で必要とされる生活費も大きくなるため、世帯全体として安定した生活を維持できる収入があるかを確認することが大切です。
2. 扶養人数と年収は、どのように考える?
入管が「永住申請には年収○万円以上必要」という固定された金額を一律に示しているわけではありません。
一方、2026年10月に改定された永住許可ガイドラインでは、収入について、原則として同一生計世帯単位で審査し、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準を継続して満たしているかを考慮すると明記されています。
ここでいう世帯とは、住居と家計を共にしている人の集まりです。
そのため、申請者本人の年収だけではなく、同一生計世帯を構成する人の収入も含めて世帯年収が考慮されます。
ただし、家族であればどのような収入でも単純に合算できるという意味ではありません。
たとえば、申請者を扶養者とする「家族滞在」の在留資格で在留している人が資格外活動によって得ている収入は、世帯年収に合算する対象とはされません。
また、申請者が扶養している親族については、日本国内に同居しているかどうかにかかわらず、世帯人数に加算されます。
外国に住んでいる親族を扶養している場合も、この点に注意が必要です。
さらに、世帯人数が5人以上になる場合には、生活費等の増加額分を加算して年収水準が考慮されます。
行政書士として実際によくいただくご相談
「永住申請は年収300万円くらいあれば大丈夫と聞いたので、自分も申請できますか?」というご相談をよくいただきます。
しかし、お話を伺うと、配偶者やお子さん、本国のご家族を扶養しているケースも少なくありません。
永住申請では、単純に本人の年収だけを見るのではなく、世帯人数や扶養している親族との関係も含めて、世帯として安定した生活を維持できるかを確認することが大切です。
3. 年収だけではなく「扶養の実態」も確認される
■ 海外扶養(本国の親族など)
海外に住んでいる親族を扶養している場合は、その扶養関係を整理しておくことが大切です。
永住許可のガイドラインでは、申請者が扶養する親族には、外国に住む親族も含まれ、同居していない場合でも世帯人数に加算されます。
- 誰を扶養しているのか
- どのような関係の親族なのか
- 継続的に生活費を負担しているのか
- 送金などの資料によって扶養関係を説明できるか
など、実際の生活状況を整理しておくとよいでしょう。
海外扶養があること自体が、直ちに永住許可に不利になるという意味ではありません。
ただし、扶養している親族の人数は世帯人数の考慮に関係するため、収入とのバランスを含めて確認することが重要です。
■ 社会保険の納付状況
扶養家族が多い場合でも、健康保険・年金などの公的な負担について、これまで適切に履行してきたかを確認することが大切です。
永住許可のガイドラインでは、公租公課について、税金だけでなく公的医療保険や公的年金も含めて考えることが明記されています。
また、申請時点で未納がなくても、過去に適切に支払っていない状況が確認される場合には、消極的に評価されることがあります。
そのため、現在の納付状況だけでなく、これまでの支払状況も含めて整理しておくことをおすすめします。
■ 年金との関係
年金についても、「現在、払っているかどうか」だけで判断するわけではありません。
ガイドラインでは、申請時点の年齢、これまでの就労状況、年金の加入期間、その期間の平均収入、将来の年金受給見込額などが考慮要素として示されています。
また、将来の年金受給見込額が一定の水準に達しない場合でも、それを補うことができる金融資産があるかどうかが考慮される場合があります。
扶養人数が多い場合は、現在の収入だけでなく、年金を含めた将来の生活基盤についても確認しておくことが大切です。
■ 税金との関係
扶養が増えると税額が下がる場合がありますが、永住申請では、単純な税額の多寡だけではなく、税金を含む公租公課を適切に支払ってきたかという点が確認されます。
そのため、扶養親族の申告をしている場合も、実際の扶養関係と申告内容が一致しているかを整理しておくことが重要です。
4. 家族が多い場合の実務上の対策
① 世帯収入を確認する
配偶者が就労している場合など、同一生計世帯を構成する人の収入が世帯年収として考慮されることがあります。
ただし、家族の収入であれば何でも単純に合算できるというわけではありません。
在留資格や就労状況なども確認したうえで、世帯としての収入を整理する必要があります。
② 資産で補強する
預貯金・不動産・金融資産などは、将来の生活を支える資産として考慮される場合があります。
特に年金の受給見込額との関係では、将来の生活資金を補う金融資産が考慮される仕組みも示されています。
③ 収入の安定性を示す
雇用契約、在職期間、これまでの収入状況など、現在だけでなく今後も安定した生活を維持できることを説明できる資料を整理しておくとよいでしょう。
④ 扶養の状況を整理する
誰を扶養しているのか、国内に住んでいるのか海外に住んでいるのか、どのように生活費を負担しているのかなど、家族関係と扶養の実態を整理しておくことが重要です。
特に海外の親族を扶養している場合は、扶養している親族が世帯人数の考慮に入るため、収入とのバランスも確認しておきましょう。
5. まとめ
家族が多いことは永住審査で直ちに不利になるものではありません。
重要なのは、
✔ 世帯全体の生活維持能力
✔ 世帯人数と扶養している親族の状況
✔ 納税・保険・年金などの公租公課の履行状況
✔ 扶養の実態を客観的に説明できること
を整理することです。
特に2026年10月改定のガイドラインでは、収入について原則として同一生計世帯単位で考えることや、申請者が扶養する親族については、海外に住んでいる場合でも世帯人数に加算することが明確にされています。
そのため、「自分の年収がいくらあるか」だけではなく、誰と生活し、誰を扶養しているのか、その家族構成に対して世帯として安定した生活を維持できるかという視点で確認することが大切です。
他にも永住が不許可になる典型例については、
こちらの記事
でまとめています。
扶養人数だけでなく、在留年数や納税状況、年金・健康保険の納付状況なども含めて、「自分が永住申請の条件を満たしているか」を確認したい方は、まずは
永住申請チェックリスト
をご活用ください。申請前に確認しておきたいポイントを一覧でまとめています。
そのうえで実際の申請では、「このまま申請して不許可にならないか」という不安を感じる方も少なくありません。
そうした場合は、申請前に「自分の場合は専門家に依頼すべきか」一度確認しておくのがおすすめです。
判断基準を事前に知っておくだけでも、申請前に確認すべきポイントを整理しやすくなります。
万が一、不許可になった場合は、前回申請のどこに問題があったのかを確認することが大切です。原因を把握せずに再申請すると、同じ理由で再び不許可となる可能性があります。
自分で申請して大丈夫?専門家に依頼すべきか迷う人のための判断基準
※上記は配偶者ビザに関する記事ですが、「自分で進めて問題ないか/専門家に依頼すべきか」という判断軸は永住申請と共通しています
永住許可申請をお考えの方にお役立ちのページ
永住申請の年収基準全体については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 永住権の年収基準と審査ポイントの総合解説
扶養人数が多い場合でも、社会保険の納付状況だけで判断されるわけではありません。
社会保険審査の詳細はこちらも参考にしてください。
▶ 永住申請と社会保険の最新審査ポイント
【Q&A】
Q. 扶養家族が3人いると不許可になりますか?
A. 扶養家族の人数だけで決まるものではありません。世帯全体の収入・資産・公租公課の支払状況などを含めて総合的に判断されます。
Q. 配偶者の収入は見てもらえますか?
A. 同一生計世帯を構成する配偶者の収入は、世帯年収として考慮されることがあります。ただし、在留資格や就労状況によって扱いが異なるため、単純に合算できるわけではありません。
Q. 海外の親を扶養していますが問題ですか?
A. 海外に住む親族を扶養していること自体が直ちに問題になるわけではありません。ただし、申請者が扶養する親族は、同居していなくても世帯人数に加算されるため、扶養関係と世帯収入とのバランスを確認することが大切です。
【監修・執筆】
しのび行政書士事務所 行政書士 渡邊晴美(愛知県豊田市)
愛知県豊田市を拠点に、岡崎市・みよし市・安城市・刈谷市など西三河地域で、在留資格・永住申請のご相談・申請サポートを行っています。
【無料相談はこちら】
永住申請は「提出前の準備」で結果が大きく変わります。
✔ 扶養人数が多い
✔ 年収がギリギリ
✔ 海外扶養がある
まずは現状診断からしてみませんか。
無料で行いますので、お気軽にご連絡くださいね。
無料相談のご予約を受付中です
永住ビザが取れそうかどうか、無料でチェックします。
「自分は永住の条件を満たしている?」
「年収や在留年数は足りている?」
そんな疑問や不安があれば、まずはお気軽にご相談ください。
永住ビザは、在留年数・収入・納税状況・生活の安定性など、
総合的に判断される在留資格です。
内容を正確に確認するため、
メールフォーム・LINEでのお申込みをお願いしています。
やさしい日本語
永住(えいじゅう)ビザの そうだんが できます。
ビザが とれそうか、むりょうで かくにん します。
メール または LINE で れんらく してください。
English
We provide support for Permanent Residence applications in Japan.
If you are not confident in Japanese, that’s okay.
Please contact us by email or LINE.
※日本語に自信がなくても大丈夫です。ゆっくり相談できます。
※しっかり内容を確認してご案内するため、現在お電話でのご相談は受け付けておりません。ご了承ください。

