日本人の配偶者ビザから永住ビザへ変更する条件と必要書類|2026年10月改定の新ガイドライン対応
最終更新日:2026年10月2日
【2026年10月改定】永住許可の新ガイドライン
2026年10月に永住許可のガイドラインが改定されました。この記事も新ガイドラインを反映して更新しています。主な変更点や適用時期はこちらの記事で解説しています。
永住申請に関する各記事も、ガイドラインに合わせて随時更新していきます。

こんにちは、愛知県豊田市でビザ申請サポートしている、行政書士の渡邊晴美です。
日本人の配偶者ビザを持って滞在する外国人の方は、永住ビザを取得することで、より安定した在留資格を得ることができます。
永住ビザは配偶者ビザと違い、在留活動や在留期間に制限がないため、日本へ腰を据えて暮らしたいと考える方にとって、選択肢の一つとなります。
この記事では、日本人の配偶者ビザから永住ビザへ変更するための条件と、必要書類について分かりやすく説明しています。
配偶者ビザから永住ビザへの変更を検討する参考としていただければ幸いです。
< この記事で分かること >
・日本人の配偶者ビザから永住ビザへ変更するメリット
・配偶者ビザと永住ビザの違い
・永住ビザ申請の条件
・必ず提出する書類と、状況に応じて作成した方が良い書類
日本人の配偶者ビザから永住ビザへ変更するメリット
日本人の配偶者ビザから永住ビザへの変更のメリットと言えば、ずばり2つ挙げられます。
一つ目に、更新の必要がないこと。
永住ビザは配偶者ビザと違い、在留期間の定めがありません。
在留期限ごとの更新申請の必要が無くなることは、大きなメリットの一つです。
二つ目に、日本人配偶者と離婚や死別しても、在留資格に影響がないことです。
離婚や死別を望む方はいませんが、万が一のことがあります。
配偶者ビザの場合、離婚や死別すると、そのまま配偶者としての在留資格を続けることはできません。
しかし永住ビザは、そのような変化の影響を受けず、日本で暮らし続けることができます。
このことは、日本人の配偶者ビザから永住ビザへ変更する大きなメリットと言えるでしょう。
日本人の配偶者ビザと永住ビザの違い
この2つのビザの違いは、メリットをみても明らかです。
その他にも細かな違いはありますが、詳細は以下のページをご覧ください。
一覧表を用いて説明しています。
配偶者ビザと永住ビザの違い【一覧表】審査要件・就労制限なども解説
日本人の配偶者ビザから永住ビザへの変更申請の条件
上記のように、永住ビザは配偶者ビザよりも安定した在留資格です。そのため、申請にあたっては、婚姻・在留状況、公的義務の履行状況、現在の在留期間などを確認する必要があります。
なお、日本人の配偶者は、入管法上の「素行が善良であること」「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」という2つの要件について、適合することを要しないとされています。
一方で、税金・年金・健康保険などの公租公課の支払い、入管法上の届出などの義務、現在の在留状況などは、永住許可の判断に関係します。
主な確認項目は次のとおりです。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 婚姻・居住 |
2027年3月31日までの申請では、実体を伴った婚姻が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上日本に在留していることが、配偶者としての特例の基本的な要件です。
2027年4月1日以降の申請では、原則として、実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ引き続き3年以上日本に在留していることが要件となります。 |
| 現在の在留期間 |
2027年3月31日までの申請では、在留期間「3年」を有する場合も、最長の在留期間をもって在留しているものとして扱われます。
2027年4月1日以降の申請では、原則として、現在の在留資格における最長の在留期間をもって在留していることが求められます。ただし、一定の経過的な取扱いがあります。 |
| 公的義務 |
住民税などの税金、公的年金、公的医療保険などの公租公課を適切に支払っているか確認されます。 また、住居地の届出、在留カードに関する義務、資格外活動など、入管法上の義務の遵守状況も確認されます。 |
| 収入・生活の状況 |
日本人の配偶者は「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」の要件そのものは不要です。 ただし、世帯の経済状況や公共の負担となっていないかなどは、永住が日本国の利益に合するかという観点から考慮されます。 |
| 長期出国 | 過去10年間について、合理的な理由なく、一回の出国で6か月以上日本を離れていた場合、または出国期間が通算2年6か月以上となる場合は、原則として消極的に評価されます。 |
| 生活面 | 日本語能力、日本の制度・ルール等への理解、学齢期の子どもの就学状況なども、永住許可の判断における考慮要素として整理されています。 |
なお、今回のガイドライン改定は、2026年10月1日からすべての永住申請に一律に適用されるわけではありません。
改定されたガイドラインは、原則として2027年4月1日以降の申請から適用されます。ただし、「収入」と「公共の負担となっていないこと」については、2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日時点で審査中の申請についても、一定の取扱いがあります。
そのため、申請を検討している方は、現在の状況だけでなく、いつ申請する予定なのかも含めて条件を確認することが大切です。
なお、日本語能力については、B1相当以上の日本語能力が考慮要素として示されていますが、すべての永住申請者にB1が一律に必須となったわけではありません。
また、日本語能力とは別に、日本の制度・ルール等についての理解も考慮されます。出入国在留管理庁が指定する方法により、「生活・就労ガイドブック」に記載されている事項を中心に確認されることがあります。
学齢期の子どもを養育している場合には、子どもの就学状況も考慮されます。学校に通っていない場合に直ちに不許可となるという意味ではありませんが、事情がある場合には、その状況を整理しておくことが大切です。
なお、長期間の海外滞在や頻繁な出国がある場合は、日本での生活の本拠や在留状況との関係について確認されることがあります。
長期間の海外滞在や頻繁な出国が永住申請へ与える影響について詳しく解説しています。
また、収入や公的義務について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
上記の条件を確認するチェックリストは、出入国在留管理庁でも公開されています。
ただし、法務省のセルフチェックシートは確認項目が多く、初めて永住申請をされる方には少し分かりにくい場合があります。
当事務所では、就労ビザ・配偶者ビザそれぞれに合わせて確認できる、分かりやすいチェックリストもご用意しています。ご自身の状況を確認したい方は、ぜひご活用ください。
これらの条件のうち、税金・年金・健康保険などの公的義務については、申請直前だけで整えられるものではありません。日頃から適切に納付し、日本での生活状況を整理しておくことが大切です。
もし日本での生活を始めたばかりで将来的に永住許可申請を考えている場合は、申請時期だけでなく、日頃の税金・年金・健康保険などの状況も確認しておくとよいでしょう。
日本人の配偶者ビザから永住ビザへの変更申請手続き
提出書類(主なもの)
永住許可申請では、多くの書類を提出する必要があります。
ただし、勤務先や加入している保険の種類などによって提出書類が異なる場合もありますので、ご自身の状況に合わせて準備しましょう。
- 永住許可申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 申請人の国籍国の機関から発行された婚姻証明書
- 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
- 申請人または申請人を扶養する方の職業を証明する資料
- 直近3年分の住民税の課税(または非課税)証明書・納税証明書等(申請人および申請人を扶養する方)
- 直近3年間に住民税を適正な時期に納付したことを証明する資料(通帳の写し・領収証書など)
- 源泉所得税・申告所得税・消費税等に係る納税証明書(該当する税目)
- 直近2年間の公的年金の加入・納付状況を確認できる資料
- 直近2年間に国民年金に加入していた期間がある場合の国民年金保険料領収証書等
- 現在加入している公的医療保険の加入状況を確認できる資料
- 直近2年間に国民健康保険に加入していた期間がある場合の国民健康保険料(税)納付証明書・領収証書等
- 直近2年間に社会保険に加入していた場合の健康保険・厚生年金保険料の納付状況を確認できる資料(該当する場合)
- 親族一覧表
-
身元保証書および身元保証人に関する資料
身元保証人について、「誰にお願いすればよいの?」「家族以外でも大丈夫?」と悩まれる方は少なくありません。
永住申請の身元保証人の選び方や注意点について詳しくはこちらをご覧ください。
- 了解書
このほか、申請時にはパスポートや在留カードの提示などが必要です。また、申請人の状況によって追加資料の提出を求められる場合があります。
公的医療保険については、現在の制度上、マイナ保険証を利用している場合と資格確認書を利用している場合などで、提出する資料が異なります。古い健康保険証の写しだけを準備するのではなく、申請時点の出入国在留管理庁の案内を確認しましょう。
提出書類(状況に応じて作成した方が良いもの)
続いて、ご自身の状況をより正確に説明するために、状況に応じて作成した方が良い書類を説明します。
①理由書
理由書は、日本に永住したい理由や、これまでの日本での生活状況、今後も日本で生活していくことを希望する理由などを説明するために作成します。
必須書類ではありませんが、申請書や提出資料だけでは分かりにくい事情がある場合には、その背景を整理して説明する資料として役立ちます。
作成する際は、一般的な文章をそのまま当てはめるのではなく、ご自身のこれまでの生活状況に沿って、具体的に書くことが大切です。
書く内容は、具体的には以下のようなものです。
- 配偶者との出会いから結婚までの経緯、結婚後日本で暮らすことにした理由
- 日本で暮らし始めてからの生活の様子
- 地域や親族、子供の関係でのつきあい
- 仕事のこと、現在の生活状況
- これまでの状況を踏まえて、今後も日本での暮らしを望む理由
理由書は、永住許可申請でご自身の事情や生活状況を審査官へ伝えるための資料です。書き方や記載するポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【2026年版】永住許可申請の理由書は必要?書き方・注意点・提出した方がよいケースを解説
また、過去に配偶者ビザの申請で不許可になったことがある場合は、前回の申請内容や不許可となった事情を確認したうえで、永住申請を検討することが大切です。
前回の申請書類が手元に残っていない場合など、再申請の際にどのような確認が必要になるのかについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
→ 配偶者ビザの再申請|前回の書類がない・不許可理由がわからない場合の進め方
② 長期間、日本を離れていた場合の理由書
永住許可では、日本で生活することを前提として、これまでの在留状況も確認されます。
特に、申請時点から過去10年間について、合理的な理由なく、一回の出国で6か月以上日本を離れていた場合、または出国期間が通算2年6か月以上となった場合は、原則として消極的に評価されます。
ただし、長期出国があったからといって、それだけで自動的に不許可となるという意味ではありません。
仕事、家族の事情、病気その他の事情など、長期間日本を離れていた合理的な理由がある場合には、その事情や出国期間中の状況を整理して説明できるようにしておくことが大切です。
長期間の海外滞在や頻繁な出国が永住申請へ与える影響について詳しく解説しています。
③ 世帯の収入が安定していない、生活保護を受給しているなどの場合の説明資料
日本人の配偶者は、永住許可の「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」という要件について、適合することを要しません。
ただし、永住が日本国の利益に合するかという判断では、世帯の経済状況や、公共の負担となっていないかなどが考慮されます。
そのため、現在の収入が少ない場合や、生活保護を受給している場合などには、その状況に至った経緯や現在の生活状況について、必要に応じて説明できるようにしておくことが大切です。
また、預貯金や不動産などの資産があり、それが現在の生活や将来の生活を支える事情となっている場合には、その内容が分かる資料を添付することも考えられます。
④ 税金や年金、健康保険の納付状況について説明が必要な場合
- 納税していない時期がある
- 税金を納付期限後に支払った時期がある
- 年金や健康保険に過去に未加入だった時期がある
- 年金や健康保険の保険料に未納の時期がある
- 過去の公的義務の状況について、説明が必要な事情がある
永住許可では、申請時点だけでなく、過去の公租公課の支払い状況も確認されます。
現在は未納がなくても、過去に納付期限を過ぎて支払った時期がある場合などは、その経緯を確認しておくことが大切です。
事情がある場合には、単に「支払った」という結果だけではなく、なぜそのような状況になったのか、現在はどのように整理されているのかを説明する資料を作成することがあります。
⑤ 過去に在留関係の義務違反や刑罰法令違反などがある場合
日本人の配偶者は、「素行が善良であること」という要件への適合を求められません。
ただし、永住許可では、入管法上の届出義務や在留カードに関する義務、資格外活動などの法に規定する義務の遵守状況が考慮されます。
また、刑罰法令違反についても、永住が日本国の利益に合するかという判断において考慮されます。
そのため、過去に在留関係の手続上の問題や刑事処分などがある場合には、単純に「配偶者だから問題ない」と考えず、具体的な事実関係を確認したうえで申請を検討することが大切です。
なお、交通違反と入管法上の届出義務違反などは同じものではありません。違反の内容、回数、時期などを整理して確認する必要があります。
⑥ 日本での生活状況を説明する資料
永住許可では、日本での生活状況についても総合的に確認されます。
たとえば、日本語能力、日本の制度・ルール等への理解、学齢期の子どもの就学状況などが考慮要素として示されています。
ただし、日本語能力についてB1相当以上がすべての申請者に一律に必須となったわけではありません。
また、日本語が話せることと、日本の制度・ルール等を理解していることは別の事項です。それぞれについて、ご自身の状況を確認しておくことが大切です。
学齢期の子どもを養育している場合には、子どもの就学状況も確認しておきましょう。事情があって学校に通っていない場合などは、その事情を整理して説明できるようにしておくことが大切です。
⑦ 日本への貢献や業績が分かる書類
表彰状、感謝状、叙勲書や、所属する会社や団体からの推薦状、その他、各分野において貢献があることに関する資料がある場合には、事情に応じて添付することがあります。
ただし、現在のガイドラインでは、以前のように「我が国への貢献」を独立した一般的な永住申請の条件として説明することは適切ではありません。
そのため、特別な実績がないから永住申請ができないという意味ではありません。ご自身の状況に関係する具体的な資料がある場合に、必要に応じて提出を検討します。
変更申請から許可取得までの期間
永住許可申請では、在留状況、税金・年金・健康保険などの公的義務、婚姻・家族関係、出国歴など、確認する事項が多くあります。
出入国在留管理庁が案内している永住許可申請の標準処理期間は4か月~6か月です。
ただし、個々の申請内容によっては追加資料の提出を求められることもあり、標準処理期間を超えて審査が続く場合もあります。
まとめ:日本人の配偶者ビザから永住ビザへの変更の要件と必要書類
日本人の配偶者ビザから永住ビザへ変更する場合は、婚姻・在留状況、公的義務の履行状況、現在の在留期間などを確認する必要があります。
特に2027年4月1日以降は、日本人の配偶者について、永住許可の特例である婚姻・日本在留期間の要件が変更される予定です。
また、在留期間「3年」の扱いについても、2027年4月1日以降は原則として現在の在留資格における最長の在留期間が求められるため、申請時期との関係を確認することが大切です。
一方で、日本人の配偶者は「素行善良要件」と「独立生計要件」への適合が不要とされているため、一般的な就労ビザからの永住申請とは確認するポイントが同じではありません。
まずは、ご自身の婚姻期間、日本での在留歴、現在の在留期間、税金・年金・健康保険などの公的義務、出国歴などを正確に整理することから始めましょう。
その上で申請する場合は、必須提出書類だけでなく、ご自身の事情に応じてどのような説明資料を用意するかを検討することが大切です。
当事務所でよくいただくご相談
当事務所では、日本人の配偶者ビザから永住許可申請をご検討中の方から、次のようなご相談をよくいただきます。
- 過去に年金の免除や減免を受けていた時期があるが、永住申請に影響するのか。
- 自営業をしている場合は、会社員と提出書類が異なるのか。
- 定年退職後で現在の収入に不安があるが、永住申請を検討できるのか。
永住許可申請は、ご事情によって必要書類や説明すべき内容が異なります。一律に判断できるものではありませんので、ご自身の状況に応じた準備を進めることが大切です。
日本人の配偶者ビザから永住ビザへの変更でお悩みの場合は、ご相談ください。
配偶者ビザから永住ビザへの変更について、婚姻期間や在留期間、公的義務、出国歴などを確認し、ご自身の状況に合わせてどのような準備が必要かを考えるのは、とても大変です。
「自分の場合はいつ申請できるのか」「今の状況で申請を検討してよいのか」など、分からないことがあれば、まずは現在の状況を整理することから始めてみてください。
当事務所では、初回無料相談で、「配偶者ビザから永住ビザへ変更できるか」について、ご事情を伺いながら確認します。
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