【日本人の配偶者ビザ申請できる?】フィリピンの婚姻証明書が提出できないとき
「日本で離婚して、別の日本人と再婚したい…」
「でもフィリピンでは離婚が認められていない。どうなる?」
こんにちは、愛知県豊田市でビザ申請サポートをしている、行政書士の渡邊晴美です。
外国人が日本人と結婚し配偶者ビザを申請する場合、日本と外国人の母国の両方で、法的に婚姻手続きが済んでいることの証明が必要です。
ところがフィリピン人側に日本での離婚歴があり、別の日本人と再婚する場合、フィリピンの婚姻証明書を発行することが出来ないことがあります。
そんな時は、配偶者ビザを申請することは出来るのでしょうか?
この記事では、法務省が公表した「入管からのガイドライン※」を基に、フィリピン人側の婚姻証明書が提出できない場合の、日本人の配偶者ビザ許可の可能性について説明しています。
※入管庁の令和2年10月12日「法令適用事前確認手続回答通知書」のこと。この記事では分かりやすくするために「ガイドライン」と表記します。
まず知っておきたいこと①【配偶者ビザの資格該当性】
ガイドラインを紹介する前に、まずは前提となる知識についてご説明します。
「配偶者ビザの資格該当性」についてです。
資格該当性とは、外国人が日本で行おうとする活動が、出入国管理法に定められた特定の「ビザ(在留資格)」の活動内容と一致しているかどうか、という在留資格認定の要件になるものです。
日本人の配偶者ビザの場合、資格該当性は以下のとおりになります。
-
外国人と日本人配偶者との間に法律上有効な婚姻関係があり、かつ
-
日本人との間に、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯な意思をもって共同生活を営むことを本質とする婚姻という特別な身分関係を有する者としての日本での活動であること
(引用 最高裁H14.10.17判決)
項目1については理解できると思いますが、項目2の説明はとてもややこしいですね。
簡単に言うと、お互いに「結婚している」という意思を持って生活を共にするなど、「婚姻が実体を伴うものである」ことを意味します。
このことを言い換えると、配偶者ビザは、
- 法律上有効な婚姻関係が無いと取得できない
- 法的な婚姻関係にあっても、結婚生活の実体が無いと認められない
ということになります。
そして「法律上有効な婚姻関係」は、原則的には日本と外国人の母国の両方で成立している必要があります。
そこで問題となるのが、この記事のテーマである「フィリピンの婚姻証明書が発行されない場合」です。
まず知っておきたいこと②【フィリピンの婚姻証明書が発行されない原因】
フィリピンで婚姻証明書が発行されない場合、婚姻の要件を満たしていないことが考えられます。
今回の記事のテーマが「日本人と離婚し日本人と再婚する場合」なので、ここではこの場合に該当することを説明をします。
フィリピン人の方は既にご存知のとおりですが、フィリピンでは原則離婚が認められていません。
しかし例外として、日本で暮らす日本人と結婚したフィリピン人は、日本の法律に従って日本方式で離婚をし、それについて本国の裁判所で承認手続きをとることが出来ます。
リコグニッションといいます。
このリコグニッションが済んでいないと、本国では前の配偶者との結婚が継続したままになります。
そのため、別の日本人と再婚しようとした場合、「結婚の要件を満たしていない」として結婚が認められず、婚姻証明書も発行が出来なくなるのです。
ガイドラインではどうなる?【フィリピンの婚姻証明書が提出できない時】
ガイドラインによると、フィリピンの婚姻証明書が発行されなくても、婚姻事実が記載された日本の戸籍謄本等があれば、「婚姻が実体を伴うかどうか」に基づいて配偶者ビザが審査されるということです。
ただしその場合は、フィリピンの婚姻証明書が提出できない理由について、フィリピンの法律に照らし合わせた合理的な説明が必要になります。
「ただ承認手続きを忘れていただけ」では、認められることは難しいかもしれません。
また、「婚姻の実体を伴うかどうか」については、通常の申請よりも念入りに証明した方が良いでしょう。
そのために、同居、生計の同一性、子供の存在や親族ぐるみの付き合いがあること、職業(水商売をしていない)などの側面から、丁寧に「婚姻の実体」を説明する書類を添付することをおすすめします。
まとめ:【配偶者ビザ】フィリピンの婚姻証明書を提出できない場合、理由の説明や婚姻の実体の説明を念入りに
合理的な説明があれば、「フィリピンの婚姻証明書」が無いだけでは配偶者ビザ不許可になりません。
ただし、許可を得るためにはフィリピンの婚姻証明書が無いことの合理的説明と共に、婚姻の実体を証明する書類を追加したほうが良いでしょう。
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「婚姻証明書が無い合理的な説明」
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