育成就労制度とは?技能実習から何が変わる?2027年開始の新制度と企業が今準備すべき対策

外国人材の受け入れを検討している企業担当者様、技能実習制度から新制度への移行が気になっている企業様へ。 2027年度内に施行予定の「育成就労制度」により、外国人雇用のルールは大きな転換点を迎えます。
育成就労制度は「技能実習=帰国前提」から「育成して特定技能へつなぐ制度」へと目的が大きく転換される点が最大の変更点です。
「何が変わるのか分からない」
「転籍が認められると、人材が流出するのでは?」
こうした不安を抱える企業様に向け、本記事では現時点で公表されている資料および審議内容をもとに、今から準備すべき実務対応を整理して解説します。
なお、本制度は関係法令の整備および運用方針の策定が進められている段階にあり、今後内容が変更となる可能性があります。
制度の最新情報や公式資料については、出入国在留管理庁の公表情報もあわせてご確認ください。
▶ 公式情報:育成就労制度(出入国在留管理庁)
① 育成就労制度の導入背景と目的
技能実習制度は「国際貢献(技術移転)」を目的としていましたが、実態は人手不足対応の側面が強く、この「目的と実態のズレ」により多くの課題を生んできました。
例えば実習実施先の未払い賃金問題や不当な扱いによる労働問題の発生、また外国人実習生の失踪などが挙げられます。
新制度である育成就労制度は、ここで生じた課題を解消するために、「人材確保と育成」を制度目的に明示しています。
具体的には、未経験人材を受け入れ、原則3年間の就労・育成期間を通じて、特定技能水準への到達を目標とする制度設計が示されています。
このように、日本での継続就労につなげる仕組みへと転換される予定です。
② 【比較表】技能実習と育成就労の違い
| 項目 | 技能実習制度(現行) | 育成就労制度(新制度) |
| 制度の目的 | 国際貢献(技術移転) | 人材確保・人材育成 |
| 転籍 | 原則不可 | 一定条件で可能(概ね1年以上経過後) |
| 日本語能力 | 実質なし | 入国前後研修でA1相当水準を想定 |
| キャリア | 原則帰国 | 特定技能へ接続を想定 |
| 監督体制 | 外国人技能実習機構 | 新機構+関係省庁 |
※詳細は以下の記事で個別に解説しています。
・転籍ルールの詳細(条件・企業側義務)
・日本語能力要件
・特定技能への移行(近日公開)
・監査・管理体制の整備方法
③ 主な変更ポイント
■ 転籍ルール
本人意向による転籍が制度上可能になる方向ですが、無制限で許可されるわけではありません。
外国人労働者本人に対しては、
- 一定の水準以上の技能
- 一定の水準以上の日本語能力
- その他分野別運用方針で定める要件を満たすこと
企業側にも、転籍先となるためには「育成機関として優良であるか」の要件の他に、適正な人数割合も求められます。
本制度の転籍制度は 労働者保護と人権確保を制度目的の一部とする設計 であり、企業都合のみで制限できる制度ではありません。
👉 [育成就労の転籍ルール詳細はこちら]
■ 日本語能力要件
A1相当の日本語能力水準が想定されており、評価方法については今後詳細が示される予定です。
また、特定技能接続時にはA2水準が想定されています。
企業側は必要な教育を受講できるよう必要な措置を取らなければなりません。
👉 [日本語能力要件と教育体制の実務ポイント]
■ 特定技能への移行
育成就労の期間が通算3年となる計画を作成し、その後は就労修了者が円滑に特定技能へ移行できる制度設計が進められています。
👉 [特定技能への移行ルートと手続き解説](近日公開)
④ 企業へ求められること
- 就労環境の実態(働く環境として適切か)
- 教育の実施記録(育成計画に基づく就労をさせているか)
- 転籍希望時の対応履歴(外国人の転籍の自由を侵害していないか)
- 労働条件の説明状況(意思に反した労働でないか)
育成就労制度ではこの点の理解が浅い場合、監査対応でつまずく可能性が高いため、制度開始前の準備が事実上の分岐点になると考えられます。
⑤ 制度開始までの想定スケジュール(※今後変更の可能性あり)
- 2025年3月:基本方針の決定
- 2025年~2026年:分野別運用方針作成
- 2027年4月~6月:監理支援機関の許可等「事前申請」
- 2027年度内:育成就労制度開始予定
⑥ 企業が今から育成就労制度に備えるメリット
- 管理体制の整備
- 教育計画の構築
- 記録管理の徹底
よくある質問(FAQ)
Q. 育成就労制度とは何ですか?
A. 育成就労制度は、外国人を人材として受け入れ育成することを目的とした新制度で、技能実習制度の見直しにより創設される制度です。原則3年間の育成を通じて特定技能水準への到達を目標とする制度設計が示されています。
Q. 育成就労では転籍(転職)は自由になりますか?
A. 無制限に自由になるわけではなく、同職種・一定就労期間経過・日本語能力などの条件のもとで制度上可能になる方向で設計されています。
Q. 企業は今から何を準備すべきですか?
A. 管理体制の整備、教育計画の構築、就労状況や指導記録の保存体制の強化が重要になります。
Q. 育成就労から特定技能へは必ず移行できますか?
A. 円滑な接続制度が設けられる方向ですが、制度詳細は今後の省令・運用指針で確定します。移行要件の確認が重要です。
この記事の監修・執筆
しのび行政書士事務所 行政書士渡邊晴美
配偶者ビザ・永住申請などの身分系在留資格をはじめ、外国人雇用制度および育成就労制度に関する法制度・コンプライアンス分野を専門とする。行政書士登録前はトヨタグループ企業の人事部門および法律事務所にて勤務し、企業実務および法的文書業務の現場経験を有する。育成就労制度における外部監査の制度設計・チェック体制について継続的に研究・情報収集を行い、入管実務および企業コンプライアンスの実務視点から制度解説を行っている。
育成就労制度の体制整備でお悩みの企業様へ
本記事で解説した制度内容を踏まえ、実務面での準備を進めるうえでは、現在の管理体制が将来制度に対応できる状態かを確認しておくことが重要になります。
現在検討されている「育成就労制度」は、これまでの技能実習制度とは大きく異なる運用・管理の観点が求められる可能性があります。制度が具体化する前に、
👉 「今の管理体制が将来の制度に対応できるか」
👉 「どの部分が強みで、どこに改善の余地があるか」
を客観的に確認することは、実際の運用負担を軽くし、将来の手続きや監査で慌てないための最も有効な準備です。
当事務所では、こうした“不安を先に安心に変える”ための📌 初回チェック(無料) を実施しています。
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🔍 現状確認チェックで分かること
- 現在の管理体制で制度移行にそのまま対応できる部分
- 将来の制度や監査を見据えて整えておいた方がよいポイント
- 優先順位をつけて無理なく進めるための改善の方向性
※ 現状確認相談は状況把握を目的としたもので、無理なご提案や契約の前提はありませんのでご安心ください。

