【離婚したらどうなる?】配偶者ビザの外国人が別居・離婚調停する時に注意すること
「国際結婚したが、夫婦で暮らすことはもうムリ…」
「DVやモラハラがあり別居したいけど、ビザへの影響は?」
こんにちは。愛知県豊田市でビザ申請サポートをしている、行政書士の渡邊晴美です。
配偶者と離婚を考えたとき、多くの方は、まず別居し、交渉や調停を通じて婚姻関係の修復や離婚のための話し合いを行います。
しかし、配偶者ビザで日本に滞在する外国人の場合は、同じように別居や調停をして、配偶者ビザに悪影響が無いか心配ですよね。
この記事では、離婚を考えている配偶者ビザの外国人が、別居や離婚調停、離婚訴訟をするときの注意事項について説明します。
< この記事で分かること >
・配偶者ビザの外国人がビザを失わずに日本人配偶者と別居する方法
・配偶者ビザの外国人が離婚調停中の場合の、ビザ更新の注意事項
・配偶者ビザの外国人が離婚後に、日本で住み続けるための届出や対応
【離婚したらどうなる?】①配偶者ビザの外国人が別居したいとき
外国人が配偶者ビザを取得・更新・維持するためには、基本的には夫婦が同居していることが必要です。
別居している場合、夫婦としての信憑性が無く、偽装結婚が疑われるからです。
そのため、別居している場合は、配偶者ビザの更新許可が下りないこともありますし、更新の時期で無くても、場合によっては取り消される可能性があります。
ただしやむを得ない事情がある場合は別居も可能となります。
- 夫婦関係が悪化したために、一時的に別居をして関係の修復を図る場合
- 離婚調停や離婚訴訟係属中で、婚姻関係がどうなるか不確かな時
- DVなど、ご自身やお子様の安全を守る必要がある場合
上記のような場合は、別居をしていたとしても「正当な事情がある」と認められるケースが多いです。
ただし、その「正当な事情」についての説明は、ご自身で出来なければいけません。
更新に備えて、または説明を求められたときのために、以下の点を整理しておきましょう。
< 別居の正当な事情を説明するために必要な情報 >
- 別居の経緯や期間
- 相互の行き来の有無
- 生活費の支給等の相互扶助があるかどうか
- 婚姻関係の修復の可能性
- 婚姻関係を維持する意思
別居の際は在留カード住居地変更の届出も忘れずに
なお、別居して住所が変わった場合は、在留カードを市区町村の窓口に持参して引っ越しの手続きを行ってください。
市町村の窓口でこの手続きを行った場合、入管への届出は省略できます。
DV被害者の場合の注意事項
DV被害者の方は、住所変更の手続きを行うと、配偶者に居所がバレてしまう危険性があります。
この場合、住民票を移さずに生活するか、住民票を移して居所を秘密にしてもらう支援措置を受けるかを決める必要があります。
支援措置を受けるには、お住まいの市町村や、警察に相談する必要があります。
住民票を移さずに生活する場合でも、DV被害のためであれば、在留カードの届出違反とみなされないとのことですが、重要な郵便物を受け取れないデメリットもあります。
市町村や警察に相談し、慎重に判断する方が良いでしょう。
【離婚したらどうなる?】②別居・離婚調停・離婚訴訟中の配偶者ビザ更新について
別居や離婚調停、離婚訴訟中でもきちんと書類を揃えれば配偶者ビザの更新は可能です。
ただし更新申請の際に提出する書類に、先にも挙げた「別居の正当な事情を説明するために必要な情報」を分かりやすくまとめた資料を追加する必要があります。
以下に、再度「別居の正当な事情を説明するために必要な情報」をまとめます。
- 別居の経緯や期間
- 相互の行き来の有無
- 生活費の支給等の相互扶助があるかどうか
- 婚姻関係の修復の可能性
- 婚姻関係を維持する意思
なお、離婚調停や離婚訴訟係属中は、在留期間が「6月」になることが多いです。
【離婚したらどうなる?】③離婚成立後に日本で住み続けるための手続き
まずは出入国在留管理局へ「離婚」の届出
離婚が成立したら、14日以内に出入国在留管理局へ「配偶者に関する届出」で離婚した旨を届け出ます。
この届出は、怠ると罰則があります。
ビザの種類を変更する
離婚した場合、配偶者ビザで日本に滞在できるのは6か月までです。
(在留期間が6か月より早く切れてしまう場合は、その在留期間に従う)
そのため、離婚後も日本に住み続けるためには、6か月以内に他のビザへの変更が必要です。
配偶者ビザからの変更は、就労ビザや留学ビザ、定住ビザなどが一般的です。
この中で最も自由度が高いビザは、定住ビザです。
定住ビザは、配偶者ビザと同様に就労制限がありません。
日本人と離婚した外国人は、個別に事情を審査され、認められれば定住ビザを取得することができます。
以下に、日本人と離婚した外国人が定住ビザを取得するための要件を記載します。
日本人と離婚した外国人が定住ビザを取得するための要件
- 独立した生計を営むための資産や安定収入があるか
- 日本人との間に子供がいるか、またその子の親権や監護権を持っているか
- 婚姻年数が3年以上か(長ければ長いほど有利)
- これまでの在留状況が良好であるか
- 日本語能力
こちらの要件や、定住ビザを取得するための必要書類については、さらに詳しく以下のページで説明しています。
【離婚・死別】配偶者ビザの外国人が日本で住み続けるための手続きについて
まとめ:配偶者ビザの外国人が別居・離婚調停する時に注意すること
別居中でも、正当な理由があれば配偶者ビザの維持は可能です。
また離婚調停、離婚訴訟中でも、きちんと書類を揃えれば配偶者ビザの更新は可能です。
別居の経緯や婚姻関係修復の可能性、婚姻関係継続の意思を主張できるように準備しておきましょう。
離婚後は決められた届出を怠らず、在留できる期間内でビザの変更を行えば、引き続き日本に滞在することが可能です。
配偶者ビザをお持ちの方で離婚についてお悩みの場合は、当事務所へご相談ください。
ご夫婦の状況やお客様のお気持ちを伺いながら、ビザや日本での滞在について最適なご提案をさせていただきます。
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